アンケート作成のポイント

不良回答を防ぎ、回答の質を高める調査票作成のコツ

アンケートの回答の中には、「矛盾した回答」や「質問に答えていない回答」といった不良回答が含まれてしまうことがあります。

これらの多くは調査票の設計を見直すことで防ぐことができます。

日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)のガイドラインに基づき、よりよい回答データを集めるためのアンケート作成のポイントをまとめました。

アンケート調査票でチェックしておきたい項目です。

それぞれについて記事の後半で解説いたします。

アンケート設問票チェック

[ ] 設問数と回答時間: 設問数は最大で15問程度、長くても10分以内で答えられるようになっている

[ ] 自由回答の数: 自由回答(テキスト入力)が2つ以内になっている

[ ] マトリクス設問の数: マトリクス形式の設問が2つ以内になっている

[ ] 回答分岐の活用: 条件分岐を利用し、回答すべき質問が最小限になっている

[ ] 答えにくい設問がない: 1つの設問で2つの内容を聞く質問や思い出しにくい質問がない

[ ] 簡潔な質問: 短くわかりやすい設問文で「早とちり」を防ぐ工夫ができている

[ ] プレビュー確認: スマートフォンプレビューで実際の回答しやすさを確認した

[ ] チームメンバーと確認: 作成者以外の人にも実際に回答しやすいか確認してもらった

アンケートに答えてくださる方の約90%がスマートフォンを利用し、スキマ時間で回答しています。

下記のポイントをおさえて作成することで、途中で回答をやめてしまったり、適当な回答をすることを防ぐことができ、質の高い回答データが得られます。

設問数が多かったり、回答に時間がかかるアンケートは避けられてしまいます。

設問数は多くても15問程度、回答時間は長くても10分以内に収まるように工夫しましょう。

スマートフォンでの文字入力や数値入力は、思っている以上に手間がかかるものです。

最後まで集中して答えていただくために、自由回答は2つ以内にしましょう。

選択式の設問を使う

理由や経験などを訪ねたいときは、想定されるパターンを複数選択形式の設問として聞きましょう。集計作業も楽になります。

数値入力の場合

回数や金額を聞く設問は、具体的な数字を思い出したり正しく入力することが難しい設問です。直接数字を入力させるのではなく、「1〜2回」「1000〜2000円」といった選択肢から選んでもらうようにしましょう。

マトリクス形式の設問は、複数の項目について同じ尺度で質問をしたいときに利用されますが、スマートフォンでは回答がしづらく、実質の質問数も多くなるため、答える方の負担が大きくなります。

アンケート全体で1つか2つにとどめ、1問ずつ独立した設問に分けるほうが、丁寧な回答をいただけます。

すべての方にすべての質問を聞く必要はありません。協力してくださる方の時間を大切にするために、回答分岐の機能を活用しましょう。

「自分には関係ないな」という設問を減らす

「使ったことがない」と答えた方に、その使い心地を聞くようなことがないように設定しましょう。自分に関係のない設問が続くと、協力してくださる方は疲れてしまいます。

自由入力は本当に「必要な人」にだけ

全員に意見を求めるのではなく、特定の経験をした方にだけ表示させるようにして、アンケート全体を軽くしましょう。

「どう答えればよいか迷う」「思い出せない」といった設問があると、協力してくださる方は困ってしまいます。

1つの設問で2つ以上を聞かない

1つの設問で2つ以上のことを聞く質問を 「ダブルバーレル質問」といいます。

「味と価格に満足していますか?」と聞かれると、味は良いけれど価格が高いと思っている方は、どう答えてよいか立ち止まってしまいます。要素ごとに設問を分けて、回答しやすくしましょう。

思い出しにくい・説明しづらい設問を避ける 

「利用したときの不満だった点はありますか?」などの過去のできごとや日常の些細なできごとは思い出せないものです。記憶が曖昧だったり、答えづらい内容は回答も適当になります。選択肢の形式に変更するか、強く印象に残っていることに絞って聞きましょう。

長すぎる質問文は、それだけで回答者の読む意欲を奪ってしまいます。また、文章が文章が長いと、最初の方だけを見て内容を早とちりしてしまい、間違った答えを選んでしまうことがあります。一目で意味がわかる、すっきりとした短い文を心がけましょう。

下記の悪い例では文章の前半だけを見て「自動販売機で飲み物を買うか」について回答してしまう人が多くなります。

作成した調査票は、必ず「答える方の目線」で確かめることが大切です。

プレビュー機能で実際に回答しやすいか確認

スマートフォンプレビューを使い、実際に回答を試してみましょう。思ったよりボリュームがある、答えづらい箇所がないかを事前に見つけることができます。

他の人の意見をもらう

プレビューの共有機能を使えば、他の方にもアンケートプレビューを試してもらえます。

作成者自身では気づかなかった「答えにくさ」を教えてもらうことで、より質の高い調査票が作成できます。

より良い回答データを得るための秘訣は「回答してくださる方の負担を極力減らすこと」です。協力してくださる方が気持ちよく、無理なく答えられる調査票の作成を心がけましょう。

参考:一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会「インターネット調査品質ガイドライン 第2版」

https://www.jmra-net.or.jp/Portals/0/rule/guideline/20200525_internet_guideline.pdf